「ファクタリングを使ってみたいけど、2社間と3社間って何が違うの?」「どっちを選べばいいか全然わからない…」
そんな疑問を持っていませんか?
私は大阪・北新地で小料理屋を営んでいたとき、資金ショートをきっかけにファクタリングを知りました。あのとき手元に残っていた現金はわずか8万円。仕入れ代金と家賃の支払いが重なって、もう限界だと思った夜のことを今でもよく覚えています。
ファクタリングを初めて知ったときは「怪しいんじゃないか」「融資と何が違うのか」と半信半疑でした。そして一番悩んだのが、「2社間と3社間、どっちを使えばいいの?」という点だったんです。
この記事では、2社間・3社間ファクタリングの違いを、実際に両方を利用した経験のある私が、できるだけわかりやすく比較してお伝えします。難しい専門用語はなるべく使わずに説明しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
ファクタリングとはどんな仕組み?
まず基本的なところから確認しておきましょう。
ファクタリングとは、事業者が保有している「売掛金(まだ回収できていないお金)」をファクタリング会社に売却することで、期日より前に現金化できるサービスです。金融庁によると「事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス」と定義されており、法的には「債権の売買契約」にあたります。
銀行融資とよく混同されますが、ファクタリングはあくまでも「売掛金の売却」であり、お金を借りているわけではありません。なので、返済という概念がなく、審査基準も融資とは異なります。
飲食店を経営していた私の場合、法人の宴会客からの「翌月末払い」が積み上がり、売上は立っているのに現金が手元にない、という状況が慢性化していました。まさにファクタリングが有効なケースだったわけです。
さて、このファクタリングには大きく分けて「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類があります。両者の違いは、ざっくり言うと「売掛先(お客様)を契約に巻き込むかどうか」という点です。
2社間ファクタリングの仕組みと特徴
2社間ファクタリングの流れ
2社間ファクタリングは、「利用者(あなた)」と「ファクタリング会社」の2者だけで完結する取引です。売掛先への通知や承諾は一切不要で、売掛先はファクタリングが行われていることを知りません。
具体的な流れはこのようになります。
- 利用者がファクタリング会社に売掛金を売却する契約を結ぶ
- ファクタリング会社が手数料を引いた金額を利用者に支払う
- 売掛先の支払い期日が来たら、利用者が売掛先から売掛金を回収する
- 回収した売掛金をファクタリング会社に引き渡す
ここで大切なのは、「利用者がいったん売掛金を受け取り、それをファクタリング会社に渡す」という点です。売掛先はファクタリング会社のことを知らないまま、いつも通りあなたの口座に支払います。
2社間ファクタリングのメリット
2社間ファクタリングの最大の魅力は、次の2点に尽きます。
- 売掛先にファクタリング利用を知られない
- 最短即日での資金化が可能
「取引先にファクタリングを使っていると知られたら、信用問題になるかも…」という懸念は、多くの経営者が持っていることだと思います。2社間ならその心配がありません。
また、売掛先への連絡や手続きが不要なので、審査から入金まで最短で当日〜翌日という会社も多いです。急な資金需要への対応力は、2社間ファクタリングの大きな強みです。
2社間ファクタリングのデメリット
一方で、デメリットも正直にお伝えしておきます。
- 手数料が高め(相場は8〜18%程度)
- 法人の場合は「債権譲渡登記」が求められることがある
- 個人事業主の場合は利用できない会社もある
手数料が高めになる理由は、ファクタリング会社にとってリスクが高いからです。売掛先が関与していないため、利用者が売掛金を回収したあとにファクタリング会社へ渡さない可能性(いわゆる「横領リスク」)があります。そのリスク分が手数料に上乗せされるわけです。
また、法人が2社間ファクタリングを利用する場合、ファクタリング会社から「債権譲渡登記」を求められることがあります。これは登記情報に売掛債権の譲渡が記録されるため、将来的に借入審査に影響する場合もあることを知っておいてください。
3社間ファクタリングの仕組みと特徴
3社間ファクタリングの流れ
3社間ファクタリングは、「利用者(あなた)」「ファクタリング会社」「売掛先(取引先)」の3者が関与する取引です。売掛先への通知と承諾が必ず必要になります。
流れを見てみましょう。
- 利用者がファクタリング会社に売掛金の売却を申し込む
- ファクタリング会社が売掛先に「この売掛金はうちに譲渡しましたよ」と通知する
- 売掛先がその事実を承諾する
- ファクタリング会社が手数料を引いた金額を利用者に支払う
- 支払い期日に、売掛先がファクタリング会社に直接支払う
2社間との一番の違いは、売掛金の最終的な支払い先が「利用者」ではなく「ファクタリング会社」になるという点です。これによってファクタリング会社のリスクが大幅に下がり、手数料が低くなる構造になっています。
3社間ファクタリングのメリット
3社間ファクタリングのメリットは、主に次の点です。
- 手数料が低い(相場は1〜9%程度)
- 審査が通りやすいケースがある(2社間で落ちても3社間では通ることも)
- 債権譲渡登記が不要
手数料の低さは特筆すべき点です。100万円の売掛金で比べると、2社間なら手数料が8〜18万円かかるところ、3社間なら1〜9万円で済む可能性があります。この差は決して小さくありません。
また、2社間ファクタリングの審査で落ちてしまった場合でも、売掛先の信用力が高ければ3社間ファクタリングであれば通過できるケースがあります。3社間ファクタリングはファクタリング会社が売掛先の存在を直接確認できるため、リスク評価が低くなり、審査基準が緩やかになるとされています。
3社間ファクタリングのデメリット
3社間ファクタリングの難しいところは、やはり「売掛先に知られる」という点です。
- 売掛先への通知・承諾が必要(関係性に影響する場合がある)
- 売掛先の協力がなければ成立しない
- 資金化まで10〜15日程度かかる
「ファクタリングを使うなんて、うちとの取引を続ける気があるの?」と思われるのでは…という不安を持つ経営者は少なくありません。特に長年の付き合いがある取引先ほど、こういった心理的なハードルは高くなりがちです。
また、3者間でやり取りが発生するため、どうしても手続きに時間がかかります。急ぎで現金が必要な場面には向いていません。
2社間・3社間ファクタリング、違いを一覧表で比較
ここまでの内容を表でまとめてみます。
| 比較項目 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
|---|---|---|
| 売掛先への通知 | 不要(知られない) | 必要(承諾が必須) |
| 手数料の相場 | 8〜18%程度 | 1〜9%程度 |
| 資金化のスピード | 最短即日〜数日 | 10〜15日程度 |
| 債権譲渡登記 | 必要な場合あり(法人) | 基本的に不要 |
| 審査の通りやすさ | やや厳しめ | 比較的通りやすい |
| 売掛先の協力 | 不要 | 必須 |
| 個人事業主の利用 | 会社による | 比較的利用しやすい |
このように、両者はかなり性質が異なります。「どちらが優れているか」という話ではなく、「自分の状況にどちらが合っているか」で選ぶことが大切です。
どちらを選べばいい?シチュエーション別の判断基準
では、実際にどちらを選べばいいのでしょうか。私自身の経験も交えながら、シチュエーション別にお伝えします。
2社間ファクタリングを選ぶべき場面
- 売掛先に知られたくない(取引関係への影響を避けたい)
- 今すぐ(数日以内に)現金が必要な緊急事態
- 長年の取引先や大口顧客のため、関係性を慎重に扱いたい
私が最初にファクタリングを使ったときは、まさに緊急事態でした。明後日の仕入れ代金が払えない、という状況だったので、売掛先に連絡する時間も心理的余裕もありませんでした。あのときは2社間ファクタリングを選んで正解だったと今でも思っています。
ただし、手数料は高めになるので、コスト面での覚悟は必要です。「資金ショートを回避するためのコスト」と割り切れるかどうかが判断のポイントになります。
3社間ファクタリングを選ぶべき場面
- 手数料をなるべく抑えたい(コストを優先したい)
- 売掛先との関係が良好で、事前に相談できる
- 急ぎではなく、数週間の余裕がある
- 2社間の審査で通らなかった
特に「手数料をできるだけ下げたい」という場合は、3社間ファクタリングが有力な選択肢になります。売掛先が上場企業や大手企業の場合、信用力が高いと評価されて手数料がさらに低くなることもあります。
経営が安定してきてから、大口の取引先(当時の常連の法人客)に事情を説明して3社間ファクタリングを利用したことがあります。最初はちょっと恥ずかしいような気持ちもあったんですが、先方も「こういう資金調達の方法があるんだね」と理解してくれて、むしろスムーズに話が進みました。売掛先との信頼関係があれば、意外と話しやすいものですよ。
ファクタリングを利用する前に必ず知っておきたい注意点
手数料の「相場外れ」には要注意
ファクタリングで最も気をつけてほしいのが、手数料の水準です。先述の通り、相場は2社間で8〜18%、3社間で1〜9%程度です。これを大幅に超える手数料を提示してくる業者には注意が必要です。
- 2社間で20%を超える手数料を提示してくる
- 審査中に「事務手数料」「審査費用」などを後から追加請求してくる
- 契約書の内容があいまいで重要事項が記載されていない
こうしたケースは悪質業者の可能性があります。
悪質業者を見分けるポイント
残念ながら、ファクタリングの世界には悪質な業者も存在します。金融庁も「ファクタリングを装ったヤミ金融業者」への注意を呼びかけています。
私自身、最初にファクタリングを調べたとき、怪しいと感じた業者に問い合わせしてしまったことがあります。明らかに相場外れの手数料を提示されて、すぐに電話を切りましたが、あのときは本当に焦っていたので冷静さを失いかけていました。
悪質業者を避けるために確認してほしいポイントをまとめました。
- 会社の所在地・固定電話番号・代表者名がウェブサイトに明記されているか
- 「償還請求権あり」の条項が契約書に入っていないか(あれば実質的に融資=違法の可能性)
- 口コミや評判が確認できるか
- 契約前に書面での説明を行ってくれるか
- 手数料の内訳が明確に示されているか
特に「償還請求権(リコース条項)」の有無は重要です。ファクタリングは売掛金の「売却」であり、売った後の回収不能リスクはファクタリング会社が負うのが原則です。もし「売掛先が払えなかったら利用者が買い戻す」という条項が入っている場合は、実質的に融資(貸金業)に該当する可能性があります。このような契約には絶対に応じないでください。
また、ファクタリングの利用前には必ず複数の業者に相談して、見積もりを比較することをおすすめします。私も当時、3社から見積もりを取って比較しました。同じ売掛金でも業者によって手数料が5%以上違うこともありますので、相見積もりは必須です。
なお、ファクタリングに関する法律・税務上の疑問点は、専門家(税理士・弁護士)に相談されることをおすすめします。
まとめ
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いを整理すると、次のようになります。
- 2社間は、売掛先に知られずに最短即日で資金化できるが、手数料が高め(8〜18%)
- 3社間は、売掛先への通知・承諾が必要で時間がかかるが、手数料が低い(1〜9%)
「急いで・秘密で」なら2社間、「時間をかけてでもコストを抑えたい」なら3社間、というのが基本的な選び方です。
私がいちばん伝えたいのは、「資金ショートしてから慌てて使う」のではなく、「キャッシュフローを把握した上で、余裕を持って使う」ことの大切さです。私自身、最初は切羽詰まった状態で飛びついてしまったので、条件交渉する余地もありませんでした。
もしいま資金繰りに余裕がない状況であれば、まずは複数のファクタリング会社に相談してみてください。相談無料・秘密厳守の会社がほとんどですので、問い合わせるだけならリスクはありません。
あなたの資金繰りが少しでも楽になることを、同じ経験をした者として心から願っています。